和音記号とコード表記
C durの三和音を弾いて、その響きをじっと聞いていると、mollの響きの和音が出てきます。
三和音は全部が長調の和音になるわけではありません。
当たり前なのですが...
ブラームスのヴァイオリンソナタ1番の3楽章をゆっくり弾いていて、ハタと気がついた事があります。
3楽章はg moll の曲ですから、私の頭の中は、g moll以外の調は転調でもしない限りずっと同じ調の中で考えようとします。
大抵はバスの音を頼りにいわゆる“和声分析”をします。
でも、この楽章に限って、調性が分からなかったりして途中でやめてしまいました。
先日、友達とベートーベンの話をしていた時に、コードで考えるといいと言っていたのを思い出しました。
それで試しにコードで書き出して、びっくりした事があったのです。
例えば、CdurのⅢという和音をコードではEmと表します。
このmという記号はⅢという和音はmollの和音だからなのです。
mがつくコードが沢山あります。
その時の右手のフレーズを弾いてみると、何気ないフレーズに調性の揺れを見つけました。
意識していなかっただけなのですが、
でも、友達が言うように和声分析をするだけでなく、コードを掴んでいると
旋律の揺れに気が付けると思いました。
和音を見つける時に縦にばかりに気をとられていて、(コードも縦で見つけますが)、mの表記があることは具体的にmollを意識させてくれて、曲を理解する手段として有効だと思いました。
揺れが分からないと、曲を深められなくて、ヴァイオリンパートを散々弾きまくっていたのです。
ピアノの音どちらかといえば音量を控えていたい右手の旋律の中に、隠されているのが感じられて、また深められるといいなぁと思っています。