平均律1巻6番プレリュード
平均律1巻の6番のプレリュードをヘンレ版とバルトーク版で弾いていて、弾きにくい理由を更に発見しました。
指使いが全く違うのです。
(写真の左はヘンレ版、右はバルトーク版です。)
たとえば、1小節目の4拍目、ヘンレ版は12...、バルトーク版は21...
この曲は、指のくぐりがないように書かれているという記載を読みました。
だとするとヘンレ版は、そういう指使いではありません。
ネイガウスは、どういう観点に立ってこの曲を練習曲として推薦したのかなぁとまた妄想してしまいました。
平均律1巻6番のプレリュード、バルトーク版のテヌートの意味、スラーの付いている意味やっとわかりました。
弾くたびに混乱していたのですがスッキリしました。
どれをテヌートにしているかは、内声の旋律と左手の旋律の掛け合いと和音の解決の約束ごとから見えてきました。
右手の和音の組み方を工夫しました。
10小節目をヘルマン ケラーが和音にしているのを参考にオセロと同じく斜めに組んでいきました。
そして響きを聞いていたら、バルトーク版のテヌートと一致し始めたのです。
ヘンレ版のコピーに書き込んでありますが、スラーとテヌートはバルトーク版と同じです。
皆さんは、このプレリュードを混乱せずに弾かれるのでしょうか?
私が長い間の疑問がもう一つあります。
それは、13小節から14小節に移る時に、バスのBを下がらずにそのまま弾いてしまうことです。
このバスは、8小節から10小節までのバスの旋律を変形、拡張したものだと気が付き、諦めてひたすらさらっています。
このプレリュードは、内声が素敵で好きになったのですが、弾きたびに内声に耳が行き、パニックになってきました。
じっくり楽譜を見て考えて良かったと思っています。
バルトーク版のこと。
今、バルトーク版で33番になる平均律の1巻24番のプレリュードを弾いています。
ヘンレ版をずっと使ってきたのですが、大学の楽曲分析の時間にバルトーク版の存在を知って、時々見ていました。
今まで、いわゆるバッハの解説本を読んだり弾いたりして、分析をしていました。
あくまでも、和声分析です。
それで、納得できて弾ける曲もあるのですが、時々小節を跨いで進行していくテーマに、翻弄される事がありました。
ヘミオラです!
でも、何回弾いても、ヘミオラの存在に気づかなかったり、どこまでをヘミオラと考えるかで、悩むこともあります。
バルトーク版は、ヘミオラ有り、変拍子ありです。
しかも、テーマやモチーフにスラーが付いていて、分析したい時は、問題を解く前に答えを見たみたいで、あまり好きではなかったのです。
ところが、このプレリュードをバルトーク版の指示通り弾くと、本当に、そうなの、そうなの!と相槌を打ちたくなるほど、やりたい事が楽譜に書かれているのです。
今回は、びっくりしました。
さすが、バルトーク先生!と思いました。
最初、楽譜を見た時、スラーが一杯で嫌だなと感じましたが、ピアノでバッハを弾くのには、ピッタシかもしれません。
曲の概要が分かってから楽曲分析してもいいわけですから、分からないときは、バルトーク版を見て弾いてしまおうかな。
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後談
バッハの平均律1巻の24番のプレリュードを練習しています。
子供の頃この曲がテーマ音楽で流れているラジオ番組がありました。
子供の頃、指使いに翻弄されるのでバッハが好きでなかったのですが、この曲は大好きで、バッハと思っていなかったのです。
ピアノの先生は、随分酷な事をしたなぁと思います。
その時に耳コピして覚えていたのが黄色丸が付いている流れでした。
3声の曲ではなくて、伴奏に右手の旋律が乗ってると思ったのでしょう。
私が、この曲が平均律1巻の最後のプレリュードだと知ったのは高校生の時です。
その時は、バッハの平均律やフランス組曲イギリス組曲辺りは大好きになっていて、家に帰って平均律の楽譜を見てびっくりしたものです。
8/10/'16
今日は、フランクを弾いているとあまりにもミスが多くて、譜面を見てどこを弾いてる見失わないように頑張ると目が寄ってきてしまうので、弾く行為はやめにしました。
身体の反応に抵抗しても効果はありませんから...
Bachのヘンレ版とバルトーク版、どちらが使いやすいか、先日はバルトーク版だと言い切ってしまいましたが、この曲に関してだと、バルトーク版だとスラーがあり過ぎて生徒さんは困るなと思いました。
曲によりますね。
ただ、何も書かれていない楽譜から何も知らないで、旋律を見つけるのはとても大変なので、教える側が、理解して指導すべきです。
プレリュードを練習曲として与える時には、生徒が分かりやすい楽譜や説明が必要ではないでしょうか。
21/1/'16
今日は、ここ何年か弾きたいと思ってきたBachの半音階的幻想曲とフーガ BWV903の幻想曲の部分だけ丁寧に弾きながら指使いを決めました。
これで、終わりではなくて、指使いは、弾きこむとまた変わると思いますが、指使いを決める作業の中で、やはり、拍のズレを意識してしまいました。
以前は、こう弾きたいの前に4拍子なら4拍子を意識して頭から決めていました。
このところ、どう弾きたいかを優先する(優先できるようになってきたのです。)ことで、拍が見え、小節線のずれが見えてきて指使いを決める段階で、とっても時間がかかるようになりました。
今日は、ヘンレ版の楽譜と、春秋社の楽譜を用意して、見比べて、弾きながら決めました。
下の写真が今日気が付いたことです。
1番左の2つの楽譜ですが、上が春秋社、下がヘンレ版です。
春秋社のコピー譜の最後の小節とヘンレ版の真ん中の段の左の小節とは同じものですが、表記が違います。
初めは、春秋社の方は両手で取っていくのだなくらいに思っていたのですが、ヘンレ版の楽譜を見ていて、5連の塊として扱い左右の手で交互に弾いていくのだと気が付きました。
3:2ととらえるか5ととらえるかの違いです。
これによって、フレーズの取り方が違うのだと判ります。
真中の写真の上の楽譜は春秋社、下はヘンレ版です。
上の楽譜の左下の小節には、スラーが2つ大きくついています。
しかし、下の楽譜の右上の小節にはスラーはついていません。
でも、指使いを決めるとき、フレーズをどう捉えるかでどの指を使うか決まってくるので、私はここでは、春秋社の切り方や、指使いを使うことにしました。
右側の写真は私が、今日考えた指使いと音の塊です。
私は、5連符のようにとりたかったので、ここは、ヘンレ版のように5連符の塊を左右に分けて弾くことにしました。
まだまだ沢山ありました。
ただ、今まで、指使いは弾きやすい弾きにくいで決定していた所が多かったので、ちょっと進歩した気分になりました。
それと、バルトーク版の変拍子の発想は、私を〇拍子と書かれてあるという固い観念から解放させてくれました。
拍子は、最終的には、指定されたものですが、途中では、ずれたり変わったるするものなのです。
20/1/'16
BWV 858 プレリュード
今日は、バルトーク版のプレリュードの変拍子(18/16)の所を黄色で、そうでない12/16所は緑ではっきりわかるようにして弾いてみました。
写真の楽譜はヘンレ版です。
書き込みは、先日まで行っていた大学の平均律の講義や私が本で調べたりしたものです。
アーティキュレーションが人によって違って当り前ですが、私はバルトークと波長が合ってしまったらしく、バルトークのアーティキュレーションで弾くと非常に弾きやすいし、納得がいきます。
小節のずれを変拍子を使って表しています。
変拍子にすることで、本来の旋律のアクセントが維持できます。
変拍子は近現代の曲に使われるとどこかで思いこんでいる所がありましたが、そうではなかったと改めて思いました。
ピアノの先生に拍子を変えて捉えることをあまり言われませんでした。
でも、カサールの番組で2拍子と4拍子の取り方をここは変えてもいいんじゃないかと思うと言っていたことがありました。
もっと自由でもいいのだなぁと思いました。
拍子感は人によって違うし、ヘミオラでもそう捉えるときとそれほど意識しない時とあります。
この曲の最後の2小節には18/16になっているフレーズと似ているのがでてきますが、バルトークはここは12/16でカウントしてきちっと終わらせています。
バルトーク版のバッハを全て弾いた訳ではないので、言い切ることはできませんが、作曲家バルトークのセンスや考え方がちょこっと覗けそうです。
下の写真
29/12/'15
23/12/'15
今日は、昨日に続き、このプレリュードに関する色々な解説本を読みました。
ノートに簡単にまとめて、それをもとに弾いてみました。
ヘルマン・ケラーの本が2冊、市田先生の本、まだ持っているのですが、今日はこの3冊で限界…
3冊とも、テンポはゆっくり目です。
バルトーク版は♩=70ですが、3冊は50~54くらいです。
テンポが速いと、落ち着いた感じや瞑想的な雰囲気が味わえないと…
テンポ設定は結局、私がどう思いどう感じどう弾きたいかにかかっていると思います。
また、練習曲として捉えた解説であり、曲として弾こうと思ったとき、もっと別な視点もあっていいかもしれないと思いました。
この曲、フーガと共に、また完成させてみようかなと思っています。
22/12/'15
20/12/'15
19/12/'15
今日はレッスンにまたBach の平均律1巻の6番のプレリュードを持って行きました。
隠れている旋律を追いかけていると、どこ弾いているか見失ってしまう状況からは脱出できる様になりました。
3連符の最後の音が次のフレーズのアウフタクトになっています。
最初の音が拍の頭にくるので、拍を意識して弾いていると自然に曲が流れて、隠された旋律が聞こえてきます。
後半に左手で7度の連続が出てきます。
その後右手の音形がジグザグになり緊張感が増します。
そして左手が2度の連続になり右手も下行形になり、落ち着いた感じになります。
が、左手の低音に半音階が聞こえてきます。
最後は右手で3連符の半音階が連なって出てきます。
半音階はBachの時代にはとても斬新なものでした。
そして、グレゴリアンに見られるように音形が激しく変化することもまた斬新なものでした。
曲は短く、易しいように見えますが、結構やることが沢山あります。
頑張ります。
8/12/'15
Bachの平均律1巻の6番のプレリュードを弾いています。
同じ調子の8分音符の進行に対して、右手は16分音符の3連符でどんどん進んでいきます。
私は、この曲の中にある隠れた旋律や追いかけている旋律を聴きながら弾いています。
SchumannやBrahms もこの隠れている旋律を見つけていたそうです。
初めから弾いていると、右手の中にあれ?という旋律があります。
マジックみたいです。
Bachは実に考えて作曲していて、弾くたびに新たな発見をします。
この曲、今までに何回弾いたかしら?
でも、まだ飽きないし、楽しいです。
ところで、この曲を弾いていると時々先の事を考えているのに呼吸のせいなのか、落ちてしまいます。
くやしいなぁと思い、改めて挑戦してみるつもりです。
1/11/'15
18/10/'15
バルトーク版の続き
Bach Bwv869 プレリュード
平均律1巻24番、バルトーク版33番
繰り返しの後の小節の冒頭に3/2と書かれています。
3/2拍終了後には縦の点線が...次の小節の頭には2/2が、書かれています。
3/2のところは、上声の旋律を見るとその通り、納得します。
小節線とはズレています。
でも、2/2の所で小節線は本来の場所に戻ります。
この楽譜を最後まで見ていくと、最後の小節では6/4拍子の1拍にフェルマータがついて終わっています。
フェルマータの伸ばす部分を残りの拍分にすれば理論的には大丈夫です。
色々な考え方があると思うのですが、バルトークの考え方って魅力的です。
元々、バロックの時代は自由な演奏をしていただけに、何が何でも楽譜通りに弾くという窮屈な考えから解放されて、歌えると思うのです。
皆さんはどう考えられますか?
古楽をやっている友達に聞いてみようと思います。