私とメンデルスゾーン
今、Philippe Cassard が出演しているLodeon 氏の番組を聴いている途中です。
カサールとメンデルスゾーンとの出会いは、14歳の時でメルレ先生とメンデルスゾーンのあまり知られていない曲を学んだそうです。
自然な流れの中に美しさがあってと言ってました。
カサールは最近メンデルスゾーンの無言歌集のCDを出したばかりです。
それでいくつか無言歌集からの演奏が流れた後“ヴェニスのゴンドラ”の曲になりました。
この曲は鐘の音が鳴り響く中にやわかい曲が聴こえてくる設定になっています。
カサールは、鐘は綺麗な音とは限らないと、かなり金属的な音で弾いています。
綺麗な鐘ではなくて、醜くて汚いかなり現実的な音です。
メンデルスゾーンやシューマンが言っていた事から判断して、この音にしたそうです。
それぞれ感じ方考え方がありますが、この鐘という音があるからこそ背景の曲が映えて聴こえてきます。
え⁈だけど、なるほどと思っちゃいます。
私は、ずっとメンデルスゾーンが理解できないでいました。
昔、発表会で友達が無言歌集から素敵な曲を2つ弾きました。
素敵だなぁと思い、私も弾きたいなぁと思ったのですが、一緒に聞いていた母は、私の弾く曲の方が難しいから良いのだと私に言ってきました。
私はシューベルトのアンプロムチュからop90-4を弾きました。
このアンプロムチュも曲のどこがいいのかさっぱりわからなくて嫌でした。
でも友達の曲にはタイトルがあり、非常にわかりやすかったのを覚えています。
(教える側は、生徒が内容を理解しやすい曲や、内容を説明できると確信できる曲を選曲すべきですね。
ちなみに、私に曲の説明は全くありませんでした。
私は、先生にわからないを言わせてもらえませんでした。)
3年前にメンデルスゾーンのチェロとの変奏曲を勉強する機会がありました。
メンデルスゾーンが若い時にお兄さんの誕生日プレゼントに書いた作品です。
この時は、変奏曲の形はしていてもテーマが一貫していないし(しているのかもしれない!)、弾きにくいし、無理に和音を転回してあるように感じて、あまり完成された曲だとは思えませんでした。
テーマはとても素敵なのですが...
それで、カサールのメンデルスゾーンを取りあげている番組や他のメンデルスゾーンを取り上げている番組をいろいろ聞いてみました。
そうしたら、曲としての完成度や演奏のしにくい場面で“彼は若かった”という言葉を何回も聞きました。
多分、メンデルスゾーンを演奏する時って、彼の若さ故の未完成な部分も含めてあげないといけないにだなぁと思います。
モーツァルトの若い頃の作品は、パパが楽譜に書き起こしていたし、ブラームスの様に何年もかけて書いても発表しなかった作曲家もいるわけですから、作品が書かれた背景は知っておくべきです。
作曲家の名前だけでいい曲という浅はかな判断をするのではなくて、作品を客観的に見て判断することは重要ですね。
番組の残りは夜聴きます。
25/8/'15